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肥満抑制遺伝子(読み)ひまんよくせいいでんし

百科事典マイペディアの解説

肥満抑制遺伝子【ひまんよくせいいでんし】

肥満を防止する働きを持つ遺伝子のこと。1994年に米国の研究グループがつきとめた肥満抑制遺伝子は,OBタンパク質またはレプチンと呼ばれるタンパク質をつくるもので,この遺伝子に異常があると肥満になることがわかった。 レプチンは脂肪を必要以上に摂ると多く生成され,脳に知らせて食欲を抑えたり,エネルギーを余計に使ったりするが,レプチンをつくる遺伝子に異常があると,適切な量のレプチンが生成されない。このため,ひたすら食べ続けて,さらにはエネルギー消費も抑えられるため,肥満になってしまう。 ネズミの実験では,レプチンをつくる遺伝子に異常のある太ったネズミにレプチンを注射したところ,体重を減らすことに成功した。しかし,人間の肥満にはレプチンが不足している場合だけでなく,多すぎる場合もある。レプチンが多すぎる肥満の人は,レプチンへの反応が鈍くなっているという説もあるが,立証はされていない。 さらに,1997年に英国ケンブリッジ大学の研究チームはカロリー消費をつかさどる遺伝子を発見した。この遺伝子に異常があるためにプロホルモン・コンバーターゼという酵素をつくれないと,カロリー消費のスピードが遅くなる。このため,他の人と同じような量を食べていても太ってしまう。 また,アドレナリン受容体アドレナリンと結合して作用を発揮する物質)の一つであるβ3型の遺伝子に変異がある人は,変異がない人とくらべて,成人になってから肥満になる確率が高いこともわかっている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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