肥船(読み)コエブネ

精選版 日本国語大辞典 「肥船」の意味・読み・例文・類語

こい‐ぶね【肥船・屎船】

  1. 〘 名詞 〙 「こえぶね(肥船)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「作礼而去(さらいにこ)なる一切の諸精霊、弘誓の船に引かへて屎舟(コヒブネ)押合へし合ひ」(出典滑稽本・大千世界楽屋探(1817)中)

こえ‐ぶね【肥船】

  1. 〘 名詞 〙 肥料糞尿を運ぶため、主として河川を航行する船。肥取船。こいぶね。こやしぶね。
    1. [初出の実例]「下京は宇治の糞船(こえぶね)さしつれて〈孤屋坊主の着たる簑はおかしき〈其角〉」(出典:俳諧・炭俵(1694)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の肥船の言及

【糞】より

…屎こゑ代と云屎代は家主の有とし得意の農夫に之を売る〉とある。近世には三都の糞尿を集め近くの農村に運ぶ糞船(くそぶね),肥船(こえぶね)が存在した。江戸では葛西船(かさいぶね)と称する茶船がその代表であった。…

※「肥船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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