脇尊者(読み)きょうそんじゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「脇尊者」の意味・わかりやすい解説

脇尊者
きょうそんじゃ

2世紀ごろのインド仏教学僧。サンスクリット名はパールシュバPārśvaといい、「脇(わき)」の意味。「尊者」は尊称である。中インドまたは北インドの出身。仏教の有力な部派である説一切有部(せついっさいうぶ)の代表的論書『大毘婆沙論(だいびばしゃろん)』の編纂(へんさん)に中心的役割を果たしたといわれ、この論書のところどころに彼の説が伝えられている。出家したのが老年であったため、悟りを得るまでは脇をつけない(横にならない)という誓いをたてて修行に励み、3年で阿羅漢(あらかん)の悟りに達したので、この名を得たという。後の禅宗では伝法の第十祖として尊崇する。

藤田宏達 2016年11月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む