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大毘婆沙論 ダイビバシャロン

デジタル大辞泉の解説

だいびばしゃろん【大毘婆沙論】

小乗論書。唐の玄奘(げんじょう)訳。200巻。「発智論(ほっちろん)」の注釈書で、小乗の教理の集大成ともいうべき書。阿毘達磨(あびだつま)大毘婆沙論。婆沙論。婆沙。

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百科事典マイペディアの解説

大毘婆沙論【だいびばしゃろん】

阿毘達磨(あびだつま)大毘婆沙論の略。100年―150年ごろ,インドのカシミール地方で編集された小乗仏教の教理の集大成。200巻。小乗仏教の根本教典たる《発智(ほっち)論》の注釈の形をとり,説一切有部の教義を確立した。
→関連項目倶舎論

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大毘婆沙論
だいびばしゃろん

阿毘達磨大毘婆沙論」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大毘婆沙論
だいびばしゃろん

インドの仏教論書。200巻。唐の玄奘(げんじょう)訳。異訳に北涼(ほくりょう)の浮陀跋摩(ぶだばつま)・道泰(どうたい)らの翻訳による『阿毘曇(あびどん)毘婆沙論』がある。前者を新訳、後者を旧訳(くやく)の『婆沙論』ともよぶ。この二漢訳しか現存しない。原名はマハービバーシャーMahvibh。成立年代は正確には不明だが、カニシカ王の言及があることから紀元2世紀の後半から3世紀にかけて、説一切有部(せついっさいうぶ)の多くの学者によって編纂(へんさん)されたものであろう。
 本書は有部の根本的論書である迦多衍尼子(かたえんにし)の『発智論(ほつちろん)』に対する大注釈書である。その内容はアビダルマ全体にわたり、カシュミール有部の正統説を広く詳細に示している。また有部内の異端者と思われる西方師(さいほうし)陀羅(けんだら)国師、外国師などの異説を数多く引用し論破している点で、有部内の勢力や発展をうかがうことができ、さらに譬喩(ひゆ)者、分別論者、犢子部(とくしぶ)、大衆部(だいしゅぶ)などの他部派の教義を多数紹介し論難している点で、有部以外の部派の主張が明らかになる。とくに本書は、譬喩者(ダールシュターンティカDrntika)の「法は実有でない」という主張を論破することに激しい情熱を抱いているように思われる。本書の題名から有部はまた「毘婆沙師」(バイバーシカVaibhika)ともよばれた。部派仏教研究には重要にして不可欠の資料である。[加藤純章]
『『阿毘達磨論の研究』(『木村泰賢全集 四巻』所収・1968・大法輪閣) ▽渡辺楳雄著『有部阿毘達磨論の研究』(1954・平凡社)』

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