脳室造影法(読み)のうしつぞうえいほう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

脳室造影法
のうしつぞうえいほう

脳室内に空気または造影剤を注入してX線撮影し、その形態から脳疾患を診断する検査法。脳室とは、脳の内部にあって互いに連絡する複雑な形をした数個の部屋(腔所(くうしょ))で、髄液によって満たされ脊髄(せきずい)の中心管がこれに連絡している。CT(コンピュータ断層撮影法)、MRI(磁気共鳴映像法)の登場によってより正確に、より非侵襲的に情報が得られるため、今日ではほとんど行われずその診断的価値は減少した。類似のものに気脳撮影(腰椎穿刺(ようついせんし)による造影)がある。しかし、歴史的には意義深いこれらの検査法について簡略に触れておく。
 脳室造影法は通常、頭蓋(とうがい)骨に1個の穿孔を設け、ここから側脳室前角を直接穿刺し、髄液の流出を確認してから空気または造影剤(メトリザマイドなど)を穿刺針より注入し、脳室系を造影する。脳室の拡大、変形、偏位から脳室近傍腫瘍(しゅよう)、脳室内腫瘍、水頭症などが診断される。なお、新生児では大泉門が開いているので、そこから穿刺造影する。また、第三脳室の造影は、定位脳手術における基準点の設定に用いられる。患者に与える侵襲が高く、病変の形状が間接的にとらえられるにすぎない。[加川瑞夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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