化学辞典 第2版 「腐食疲労」の解説
腐食疲労
フショクヒロウ
corrosion fatigue
疲労とは,金属材料に耐力以下の周期的繰り返し応力を加えたときに起こる低応力破壊をいう.これに対し,腐食疲労は,腐食環境において疲労に対する抵抗が減少する現象をいう.一般に破壊までの応力の繰り返し数は,前者においては周期にほとんど無関係であるが,後者では周期が大きくなるにつれて繰り返し数は減少する.腐食疲労は一種の応力腐食割れと考えられるが,その機構はよくわかっていない.多くの場合貫粒割れで,また孔食を起こしやすい環境で起こることから,孔食による切り欠き効果であるとする説もある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報