興保(読み)おきほ

日本歴史地名大系 「興保」の解説

興保
おきほ

おき町の辺りにあったと考えられる。大治二―三年(一一二七―二八)頃の六月七日と推定される藤原親賢書状(半井家本「医心方」巻二五紙背文書)によれば「興保司代」が下向したか否か、また保司は誰であるかを在京国司藤原家成の許から加賀の目代に問うており、同年頃の六月二六日付藤原親賢書状(同書巻二九紙背文書)によれば、国除目の初めに「興保」を乳母(尾張局、高階為遠の娘か)が賜り預かっており、勝載所や益富ますとみ保と同時に国司庁宣が発給されなかったことが問題化している。保司職は芹田せりた郷同様乳母の知行となり、代官を下向させて保務をとらせたのであろう。正応四年(一二九一)頃遊行二代他阿真教は加賀に布教に訪れたといわれ(遊行上人縁起絵)当地の直阿弥陀仏の問に答えて、聞位往生(下品中生)・念声同異(念仏と称名が同一であること)を説いている(他阿上人法語)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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