(読み)もやい

精選版 日本国語大辞典 「舫」の意味・読み・例文・類語

もやいもやひ【舫】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「もやう(舫)」の連用形名詞化 ) 船をつなぎとめること。船と船をつなぎ合わせること。また、そのための綱。むやい。もや。
    1. [初出の実例]「流れ淀たる浪に筏の舫(モヤヒ)を押切られて」(出典太平記(14C後)一四)

舫の補助注記

御伽草子「梵天国(室町時代物語集所収)」に「ひかり物とびちがひて、卅そうのふねの、もあひのつなをふききって」と「もあい」と書かれた例がみられる。


もあいもあひ【舫】

  1. 〘 名詞 〙もやい(舫)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「舫」の読み・字形・画数・意味


10画

[字音] ホウ(ハウ)
[字訓] ふね・もやいぶね

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
声符は方(ほう)。〔説文〕八下に「なり」(段注本)とし、「令に曰く、舫人は水になり」とする。〔礼記、月令〕に「六、漁師に命じて蛟(みづち)を伐たしむ」とあり、漁師は舫人、〔注〕に舫人を榜人、すなわち船頭の意とする。〔孔子家語、三恕〕に「舟を舫(なら)べず、風をけざれば、則ち以て(わた)るべからず」とあり、舟を並べてつなぐことをいう。方に比方、ならべる意がある。

[訓義]
1. ふね。
2. もやいぶね、舟をつなぎあわせる、舟をならべる。
3. いかだ、いかだ舟。
4. 舟のり、船頭。

[古辞書の訓]
名義抄〕舫 フネ・トモ・ナラブ・フナバタ・ハシブネ・ツム 〔字鏡集〕舫 ナラブ・フネ・ハシブネ・トモ・フタゴフネ・フナバタ

[語系]
舫・方piuangは同声。〔説文〕八下に方を併船と解するが、〔国語、斉語〕に「舟を方(なら)べ(いかだ)を設く」とあって、方は動詞、舫・(ふ)が名詞。方はもと架屍の形で、字義は異なる。

[熟語]
舫屋舫舟・舫人舫船舫艇舫楼
[下接語]
宴舫・花舫・画舫・官舫・妓舫・巨舫・軽舫・行舫・彩舫・朱舫・酒舫・舟舫・秋舫・乗舫・船舫・大舫・短舫・鳧舫・文舫・野舫・蘭舫・両舫・連舫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ダイビング用語集 「舫」の解説

船を陸地につなぎとめることや、船と船をつなぎ合わせること。もしくはそのためのロープのことを言う。

出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報

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