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梵天国 ぼんでんこく

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

梵天国
ぼんでんこく

室町時代の御伽草子。「ぼんてんこく」とも読む。作者,成立年未詳。3巻。五条中納言と,その妻となった梵天王の姫の物語。異郷遍歴談で,仏の生前を語る本地物 (ほんじもの) 。筋に変化があり,めでたい内容であったから古浄瑠璃にも語られ,江戸時代前期,浄瑠璃の終りには必ずこれを語ったところから,物事の終りという意味にも用いられた。

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デジタル大辞泉の解説

ぼんてん‐こく【×梵天国】


梵天1」に同じ。
《貞享・元禄のころ、浄瑠璃の終わりに祝言としてを語ったところから》物事の終わり。転じて、追い出されること。
「既(すんで)の事―になる処を」〈魯庵・破垣〉
室町時代の御伽草子。1巻。作者未詳。本地物。清水観音の申し子の中納言が、梵天王の姫と結婚して帝の難題を解決し、また奪われた姫を救い出す物語。のちに浄瑠璃・説経節としても語られた。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼんてんこく【梵天国】

御伽草子。渋川版の一つ。1巻。作者不詳。神仏の由来を説く〈本地物〉。五条の中納言は,すぐれた笛の技で梵天国王の姫と結ばれる。姫を参内させようと天皇が次々に課する難題を姫のはからいで解決するが,梵天王の判を要求されて梵天国に赴き,中納言の不注意で,かねて姫を奪おうとしていたために捕らえられていた羅刹(らせつ)国の王を逃してしまう。中納言はさらわれた姫を救い出し,あやうく羅刹国から逃げ帰る。のちに中納言は九世戸(くせのと)の文殊,姫は成相(なりあい)寺の観音となる。

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大辞林 第三版の解説

ぼんてんこく【梵天国】

〔「ぼんでんこく」とも〕
御伽草子。室町期の成立。梵天王の姫と結婚した主人公中納言が、帝の難題を退け、また羅刹国に連れ去られた妻を助け出す物語。のちに古浄瑠璃・説経節などとしても広く行われた。
〔江戸初期の浄瑠璃興行で、一日の興行の終わりに必ずを語る習慣があったことから〕 物事の終わり。 「たとひこの身は-になるとも/松の葉」
から転じて〕 主人などから追放されること。 「やきもちのやの字もあると、忽ち-さ/滑稽本・浮世床 2

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

梵天国
ぼんてんこく

説経浄瑠璃(じょうるり)の曲名。御伽草子(おとぎぞうし)から出て、奈良絵本、絵巻もある。作者不明。本地縁起(えんぎ)物の一つ。五条の中納言(ちゅうなごん)は清水観音(きよみずかんのん)の申し子という。中納言は親思いで亡き両親のために寺を建て、菩提(ぼだい)を弔うために笛を吹く。それが梵天国へ聞こえ、梵天王が感じて中納言は王の姫と結婚する。それを天皇が嫉妬(しっと)し、さまざまな難題をもちかけるが、姫の計らいによって解決する。梵天王自筆の判を要求されたので中納言がそれをとりに行っている留守に姫は奪われてしまう。中納言は苦難のすえに観音の手引きによって姫を救い出して日本に帰り、それぞれ文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、観世音(かんぜおん)菩薩となるという筋である。これは、もともと仏教界の唱導(説教)の題材であったが、それが御伽草子となり、説経浄瑠璃となった。説経浄瑠璃としては、内容は荒唐無稽(こうとうむけい)で架空的ではあるが、スケールが大きくておもしろいために、多数の演目のなかでもとくに五説経の一つとして重用され、正本が伝わっている。[関山和夫]
『信多純一解説『説経正本集3』(1968・角川書店) ▽市古貞次校注『日本古典文学大系38 御伽草子』(1958・岩波書店) ▽大島建彦校注・訳『完訳日本の古典49 御伽草子集』(1983・小学館)』

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