良人の貞操(読み)オットノテイソウ

デジタル大辞泉 「良人の貞操」の意味・読み・例文・類語

おっとのていそう〔をつとのテイサウ〕【良人の貞操】

滝井孝作短編小説。大正12年(1923)刊行の作品集に収録
吉屋信子長編通俗小説。昭和11年(1936)から昭和12年(1937)にかけて東京日日新聞大阪毎日新聞連載。一組の夫婦と、その妻の友人である未亡人による三角関係を描く。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「良人の貞操」の意味・わかりやすい解説

良人の貞操
おっとのていそう

吉屋信子(のぶこ)の長編通俗小説。1936年(昭和11)10月~37年4月『東京日日新聞』『大阪毎日新聞』に連載されて評判になり、通俗小説家吉屋信子の名を不動のものにした作品。37年、新潮社刊。電気技師の良人と妻、妻の親友である未亡人との三角関係を描いたもので、妻が良人と友人の間にできた子を引き取るという結末。明治以来の新聞家庭小説の伝統にたちながらも、近代的市民層に属する人物を登場させ、従来問われることのなかった良人の貞操を問題としたところに新鮮な魅力があった。

[江刺昭子]

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