芭蕉の(読み)ばしようのつじ

日本歴史地名大系 「芭蕉の」の解説

芭蕉の
ばしようのつじ

[現在地名]仙台市大町一丁目

おお町三丁目と同四丁目の間の辻で、大町通通町とおりまち(奥州街道)が交差する城下の中心点。名の由来は古く芭蕉が植わっていたためともいう(封内風土記)。また藩祖政宗の代に伊達だて(現福島県)より御供をした芭蕉という虚無僧に四辻を与えたためとも伝えるが、この僧は戦国期に乱破(間諜)として仕えたという(「観蹟聞老志」など)。仙台開府の町割では大手前付近からやや北東に延びる大町通を基線とし、さらに当辻を基点に北に国分こくぶん町、南にみなみ町を割出し、奥州街道を引いた。仙台城に対しては遠からず、しかも主街道を寄せないという割出で、以降の町割はこの十字路に従うことになる。奥州街道のうち仙台以北の奥道中四十五次一〇七里、江戸道中六十三次九三里の基点であったともいわれ、奥筋諸大名の参勤交代時には近隣町方の外人屋・脇本陣などが充てられた。なお近代以降も道路元標が置かれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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