花山村(読み)はなやまむら

日本歴史地名大系 「花山村」の解説

花山村
はなやまむら

[現在地名]花山村本沢ほんさわ草木沢くさきさわ

集落は村域を南東流する一迫いちはさま川と支流草木川に沿い、「安永風土記」にみえる小名は上流より山内やまうち・本沢・草木沢と立地する。東は鶯沢うぐいすざわ(現鶯沢町)川口かわぐち(現一迫町)、西は国見くにみ峠を境に鬼首おにこうべ(現玉造郡鳴子町)などと接する。本沢北の御嶽みたけ山に石楠花が生茂るところから花山村と称したと伝え、今もアズマシャクナゲが自生する。「吾妻鏡」文治六年(一一九〇)三月一〇日条に平泉藤原氏の残党大河兼任が源頼朝軍の追討で従兵を全滅させられ、「独迫進退、歴花山、千福、山本等、越亀山、出栗原」、自らも栗原りつげん(現栗駒町尾松の同名寺とされる)で殺されるが、この花山を当地と考える説もある。

花山村
はなやまむら

面積:一五八・五〇平方キロ(境界未定)

北西部に位置し、北東は栗駒くりこま町、東は鶯沢うぐいすざわ町、南は一迫いちはさま町、西は玉造たまつくり鳴子なるこ町、北西は秋田県雄勝おがち皆瀬みなせ村・東成瀬ひがしなるせ村と接する。村域を一迫川が南東流し、集落は同川沿いに集まる。面積の九割が山林で、酪農・山菜ほか木材など農林業が中心となっている。村南東部に昭和三三年(一九五八)花山ダムが建設され、灌漑・発電など多目的に利用されるが、また観光資源としても注目され、青少年旅行村などが設けられた。村北部が栗駒国定公園に指定され、温湯ぬるゆくら湯浜ゆばまの三湯や近世寒湯ぬるゆ番所跡などを含めた観光の村としての努力が払われている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報