朝日日本歴史人物事典 「茂山千五郎」の解説
茂山千五郎(9代)
生年:文化7.5.17(1810.6.18)
江戸から明治時代の狂言師。前名,佐々木忠三郎。名は千吾,初代千作とも。呉服商だった佐々木甚兵衛浄喜の次男として京都に生まれる。8歳のとき茂山久蔵英政に入門,11歳で養子となるが翌年養父が没したため江戸へ下り,大蔵流20代家元に師事。文政8(1825)年,家元から茂山家再興を許され,天保8(1837)年には近江彦根藩のお抱えとなるが,一方で文政4年に初めて禁裏御用を勤めており,以後も宮中への出勤は続けた。明治維新後の混乱期にあっても京都狂言界の第一人者として一貫して斯道を固守し,今日に至る千五郎家隆盛の基礎を築いた。<参考文献>茂山千作『狂言八十年』
(石井倫子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報