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巌谷小波 いわや さざなみ

美術人名辞典の解説

巌谷小波

童話作家。東京生。一六の子。名は季雄、別号に漣山人。楽天居の号で、俳句俳画も能くした。昭和8年(1933)歿、64才。

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デジタル大辞泉の解説

いわや‐さざなみ〔いはや‐〕【巌谷小波】

[1870~1933]児童文学者・俳人。東京の生まれ。本名、季雄(すえお)。別号、漣山人(さざなみさんじん)。尾崎紅葉らと硯友社(けんゆうしゃ)を結成。のち創作童話を発表。また、おとぎ話口演にも力を注いだ。童話「こがね丸」、童話集「日本昔噺」「世界お伽噺」など。

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百科事典マイペディアの解説

巌谷小波【いわやさざなみ】

明治大正期の小説家,児童文学者,俳人。本名季雄。別号,漣山人など。東京生れ。硯友(けんゆう)社同人となり小説を書いたが,1891年博文館の少年文学叢書第1編《こがね丸》によって児童文学に新生面を開き,《少年世界》《少女世界》《幼年画報》《幼年世界》を主宰して健筆を振るった。
→関連項目巌谷大四押川春浪児童劇文芸倶楽部

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

巌谷小波 いわや-さざなみ

1870-1933 明治-昭和時代前期の児童文学作家,小説家。
明治3年6月6日生まれ。巌谷一六の3男。硯友(けんゆう)社にはいり,小説「妹背貝(いもせがい)」などをかく。明治24年おとぎ話「こがね丸」が好評を得,以後童話に専念。「少年世界」編集長をつとめ,「日本昔噺(ばなし)」「世界お伽噺」などをまとめる。口演童話もはじめた。昭和8年9月5日死去。64歳。東京出身。本名は季雄(すえお)。筆名は別に大江小波。
【格言など】深く感謝して天国へ行く,云いたい事山々なれど只此上は仲よくあとをにぎわしてくれ,何事もあなたまかせの秋の風(遺書)

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世界大百科事典 第2版の解説

いわやさざなみ【巌谷小波】

1870‐1933(明治3‐昭和8)
明治・大正期の作家,児童文学者。本名季雄,初期別号山人(さざなみさんじん)。東京生れ。父の一六は貴族院議員で書家として著名。裕福な家庭に育ったが,医者への道を歩ませられることをきらい,周囲の反対の中で文学を志して進学を放棄し,1887年文学結社の硯友社(けんゆうしや)に入る。尾崎紅葉らと交わって小説を発表したが,少年少女のセンチメンタルな恋愛を描く作品が多く,この傾向は,児童文学に転ずることによって成功する。

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大辞林 第三版の解説

いわやさざなみ【巌谷小波】

1870~1933) 児童文学者・小説家・俳人。東京生まれ。本名は季雄。硯友社同人。初め小説を書いたが、「こがね丸」の成功を機に児童文学に転身、日本の児童文学の基礎をつくった。主著「日本昔噺」「日本お伽噺」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

巌谷小波
いわやさざなみ

[生]明治3(1870).6.6. 東京
[没]1933.9.5. 東京
児童文学者,小説家,俳人。本名,季雄 (すえお) 。 1887年,尾崎紅葉らの硯友社に参加,「文壇の少年屋」といわれるほど少年少女の純愛をテーマにした小説を多く書いたが,『こがね丸』 (1891) 以後は児童文学に専心。 95年創刊の『少年世界』の主筆として毎号作品を発表,「お伽噺 (とぎばなし) 」の新分野を開拓するとともに後進の指導にもあたり,明治の児童文学界に君臨した。『日本昔噺』 (94~96) ,『日本お伽噺』 (96~98) ,『世界お伽噺』 (99~1908) ,『世界お伽文庫』 (10) ,『小波お伽百話』 (10) などの編著がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

巌谷小波
いわやさざなみ
(1870―1933)

小説家、童話作家、口演(こうえん)童話家。本名は季雄(すえお)。漣山人(さざなみさんじん)とも号し、別名に大江小波(おおえのさざなみ)がある。明治3年6月6日、高級官吏で書家としても知られた巌谷一六(いちろく)の子として東京に生まれる。家業の医師を継ぐべく育てられたが、10代より文学に興味をもち、故意に大学予備門の入試に落ちて杉浦重剛(しげたけ)の称好塾に入り、尾崎紅葉らと硯友社(けんゆうしゃ)を結んで小説を書き始めた。『五月鯉(さつきごい)』『妹背貝(いもせがい)』などの小説を発表したが、1891年(明治24)に博文館『少年文学叢書(そうしょ)』の第一編として出版した子供向きのおとぎ話『こがね丸』が圧倒的な好評を得、これを契機に児童文学の開拓者として登場した。その作品の多くは自身の編集した雑誌『少年世界』に載せたもので、思想的には日本の軍国主義的な行き方を肯定し、文学的には江戸戯作(げさく)の残滓(ざんし)をぬぐいきっておらず、真に近代的な児童文学とみることはできない。世の要求に応じて『日本昔噺(むかしばなし)』(全24冊)、『世界お伽噺(とぎばなし)』(全100冊)など伝承文学の再話もしており、明治30年代の後半からは自作のおとぎ話の口演にも力を注ぎ、その門下から久留島武彦(くるしまたけひこ)、岸辺福雄などの口演童話家を出してもいる。その作品量は膨大で、『小波お伽全集』(全16巻)に収められているが、ほかに『桃太郎主義の教育』(1915)などエッセイ類も多い。自伝『我が五十年』(1920)がある。昭和8年9月5日没。[上笙一郎]
『『日本児童文学大系1 巌谷小波集』(1977・ほるぷ出版) ▽厳谷大四著『波の跫音――小波伝』(1974・新潮社)』

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世界大百科事典内の巌谷小波の言及

【絵本】より

…これが俗に〈ちりめん本〉と呼ばれるものである。〈お伽のおじさん〉と呼ばれた巌谷小波(いわやさざなみ)は,長谷川本を受け継いで《日本昔噺シリーズ》(1894)を出したほか,《お伽画帖》(1908),さらに洋装本35冊の《日本一ノ画噺》(1911‐15)に発展させた。後者は杉浦非水らのデザインが美しい。…

【演劇教育】より

…日本では,明治期を迎えキリスト教の布教が許されるようになると,教団によるミッション・スクールが設けられたが,そこで行われたキリストの降誕劇や,教会の日曜学校におけるクリスマス劇などが,演劇教育の先鞭をつけたとされる。また,日本の近代的な児童文化・児童文学の創始者といわれる巌谷小波はドイツでの見聞をもとに,1903年ころから〈学校芝居〉を提唱し,そのための脚本を発表した。さらに,大正期の新教育運動の中で,あるいはその影響のもとに,私立成城学園の学校劇運動や,坪内逍遥による児童劇運動などが始められ,演劇教育は一定の普及をみた。…

【児童雑誌】より

…教育制度の普及,印刷技術の発達,資本主義の成長などの条件がととのうと,商業児童雑誌が刊行されるようになった。なかでも博文館の《少年世界》(1895)は,当時《こがね丸》を書いて爆発的な人気を得た巌谷(いわや)小波を主筆に,押川春浪ほか門下の新進作家が作品を書き,内容の新鮮さ,おもしろさという点で,他誌を大きくひきはなし,きわだった存在となった。同社の営利主義と主筆の知名度に依存するスター・システムによる雑誌づくりはその後も続き,最初の性別雑誌《少年界》《少女界》(ともに1902),年代別雑誌《幼年世界》(1900),《少女世界》が生まれた。…

【児童文学】より

…その内容は,室町時代に成立した御伽(おとぎ)草子を中心に,古浄瑠璃(こじようるり),謡曲などに取材したものが多く,その源流は古代,中世にかけて成立した説話集,軍記物語,あるいは伝説,昔話であった。これらは明治時代に巌谷小波(いわやさざなみ)によって国民童話としてまとめられ,多くは今日もなお生きつづけている。日本の近代的児童文学の道もまた,巌谷小波の《こがね丸》(1891)でひらかれた。…

【少年世界】より

…日清戦争後の時運に乗り,それまで博文館が出していた数種類の雑誌,叢書などを統合して創刊された月2回刊の雑誌。当時,硯友社の新鋭として注目され,少年文学の創始といわれる《こがね丸》を書いていた巌谷小波が主筆に迎えられた。小波は,つづいて創刊された《幼年世界》(1900創刊),《幼年画報》(1906創刊),《少女世界》(1906創刊)の主筆を兼ね,これらの雑誌を舞台に,児童雑誌の編集者として,またお伽噺作家として活躍をするが,中心は《少年世界》においていたようである。…

※「巌谷小波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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