荒道山(読み)あらちやま

日本歴史地名大系 「荒道山」の解説

荒道山
あらちやま

西近江路の海津(かいづ)と越前敦賀を結ぶ沿道に所在した山塊で、歌枕としては有乳山で知られる。荒乳の中山・荒智の中山・愛発山などと表記される。「万葉集」巻一〇に「八田の野の浅茅色づく有乳山峯の沫雪寒くふるらし」とあるのが初見であるが、大和の矢田(やた)の野(の)(現奈良県大和郡山市)に比定する見解もある。「類聚国史」天長九年(八三二)六月八日条に、「越前国正税三百束。給作彼国荒道山道人坂井郡秦乙麻呂」とあり、荒道山道そのものは越前国の所管であった。「永久四年百首」に収載される藤原仲実の歌に、「あらち山雪げのそらになりぬれはかいつの里にみぞれふりつつ」とあって、あらち山が海津と敦賀を結ぶ道の国境付近の山塊であることをうかがわせる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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