荒野新田(読み)こうやしんでん

日本歴史地名大系 「荒野新田」の解説

荒野新田
こうやしんでん

[現在地名]西京区大原野付近

善峰よしみね川上流域、小塩おしお山と釈迦岳の東麓に位置した荘園。荒野と新田の二地域からなるが、中世史料には両者が常に並記されている。領主は元来善峰寺で、室町中期の言上状(同寺蔵善峰寺文書)に「寺家数百歳知行」とあり、平安後期から末期にかけての開発・立荘と推定される。荘域は確定しがたいが享保八年(一七二三)識語(同文書)に、「案古呼荒野新田者、疑指灰谷、蓼平、長峰、坂本等数邑、連山下者及椙谷間、謂之散在田地、山林開土如今広洪者、未有之」とあって、灰谷はいたに以下四郷を含んでいたと思われる。

史料は少ないが、室町中期よりの禁裏御料乙訓おとくに灰方はいがた庄との境相論を善峰寺文書にみると、まず文安五年(一四四八)相論は幕府に持込まれ、奉行人飯尾貞元・清貞俊が糾明、新田は数百年来の善峰寺知行であることが認められた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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