荷田蒼生子(読み)かだのたみこ

朝日日本歴史人物事典 「荷田蒼生子」の解説

荷田蒼生子

没年:天明6.2.2(1786.3.1)
生年享保7(1722)
江戸中期の歌人。別名ふり。荷田在満の妹。京に生まれたが兄に従って早くから江戸に出る。夫と死別後は在満に和歌国学を学びつつ,独身で通した。紀州徳川家に仕え,奥方や姫君に和歌を教授。49歳で致仕後は浅草に住み,諸侯で蒼生子の添削指導を請う者が多かった。土佐姫路・岡各藩藩主およびその夫人が中でも熱心だったという。賀茂真淵の指導を仰ぎ,家集『杉のしづ枝』を残す。平沢旭山撰文の墓碑が蒼生子の伝記の基礎資料として貴重。<参考文献>紅林健治「荷田蒼生子と家集『杉の下枝研究」(窪田空穂・松村英一編『徳川時代和歌の研究』)

(久保田啓一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「荷田蒼生子」の解説

荷田蒼生子 かだの-たみこ

1722-1786 江戸時代中期の歌人。
享保(きょうほう)7年生まれ。荷田春満(あずままろ)の養女。荷田在満(ありまろ)の妹。兄にまなぶ。和歌山藩につかえ,子女に和歌をおしえた。のち高知,姫路などの藩にもまねかれた。天明6年2月2日死去。65歳。京都出身。家集に「杉のしつ枝」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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