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菊舎尼 きくしゃに

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

菊舎尼
きくしゃに
(1753―1826)

江戸後期の俳人。田上(たがみ)氏。名は道。初号菊車、別号一字庵。長門(ながと)国田耕(たすき)村(山口県下関市)の長府藩士田上由永(よしなが)の長女。同村の村田家に嫁したが、夫の死後出家し、以後半生を俳諧行脚(はいかいあんぎゃ)に過ごした。美濃(みの)派の朝暮園傘狂(さんきょう)に師事し、師の添え書で北陸、信濃(しなの)、奥羽地方を歴訪して、各地の俳人と交流。以後、九州、江戸、京と頻繁に各地を巡歴し、俳諧で一家をなすとともに、かたわら詩歌、書画、琴曲、茶道、香道などの諸芸にも通暁した。交際範囲も武家、公卿(くぎょう)、儒者、禅僧などと広く、長崎では漢人と漢詩の応酬をしたというエピソードがある。編著は『手折菊(たおりぎく)』(1812刊)のほか、二十数部の自筆稿本がある。代表吟は、宇治黄檗山(おうばくさん)を詠んだ「山門を出れば日本ぞ茶摘うた」。[雲英末雄]
『川島つゆ著『女流俳人』(1957・明治書院)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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