しゃ(読み)シャ

デジタル大辞泉 「しゃ」の意味・読み・例文・類語

しゃ

[感]あざけりののしるとき、また、驚いたときなどに発する声。
「―何程の事有らん」〈浄・矢口渡
[接頭]名詞、また副詞動詞形容詞などに付いて、卑しめののしる意を表す。「しゃつら(=面)」「しゃくび」「しゃまだるい」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「しゃ」の意味・読み・例文・類語

しゃ

  1. [ 1 ] 〘 接頭語 〙 多く体や衣服調度などに関する名詞、および、副詞や動詞、形容詞の上に付いて、侮蔑気持をこめていう。しゃっ。「しゃ顔」「しゃ面」「しゃ冠(かぶり)」「しゃ付ける」「しゃほんに」「しゃまだるい」など。
    1. [初出の実例]「しゃ顔は猿の様にて」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)
  2. [ 2 ] 〘 感動詞 〙
    1. 人をあざけりののしるときに発する語。
      1. [初出の実例]「果して雪を蹴たてつつ、狂ひ来るものありけり。〈略〉這(シャ)何程の事をなさんとひとりこち」(出典読本・椿説弓張月(1807‐11)後)
    2. やけになって、状況をあざけりののしる語。自嘲して発する語。くそっ。
      1. [初出の実例]「神詣の御車で罰が当ろとシャ儘よ」(出典:浄瑠璃・菅原伝授手習鑑(1746)一)
    3. 意外なことに驚いて発する語。
      1. [初出の実例]「女も共に勢(きほ)ひかかれば待った、せくなと押しとどめ、シャ扨は先年御勘気受け、お国をたちのき切腹ありし、七郎大夫の一子勘平殿とは貴殿の事か」(出典:浄瑠璃忠臣金短冊(1732)二)
    4. 事が思いどおりになったときなどに発する語。しめた。
      1. [初出の実例]「案内しらねばずっとは来(き)られぬ。教ておかふといふに気が付、シャよい事をと九重が」(出典:浄瑠璃・忠臣金短冊(1732)三)

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