朝日日本歴史人物事典 「田上菊舎尼」の解説
田上菊舎尼
生年:宝暦3.10.14(1753.11.8)
江戸中・後期の俳人。初号菊車。別号一字庵。長府藩(下関市)藩士田上由永とタカの長女として,長門国(山口県)豊浦郡田耕村に生まれる。16歳で村田利之助と結婚し,24歳で寡婦となり,実家に復籍。29歳で出家し,以後,一生を俳行脚に過ごす。30歳のとき美濃派の大野傘狂 に入門。俳諧だけでなく,書,琴曲,茶,香,漢詩にも秀で,交友の層も厚かった。家集に『手折菊』(1812)があり,「万福寺の吟/山門を出れば日本ぞ茶摘みうた」のような大きな句も収められる。<参考文献>上野さち子『女性俳句の世界』,川田順『菊舎尼俳句全集』
(加藤定彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報