日本大百科全書(ニッポニカ) 「葉かび病」の意味・わかりやすい解説
葉かび病
はかびびょう
トマトの葉に発生する病気で、葉の表面に淡黄色のぼやけた病斑(びょうはん)ができる。このような病斑の裏面には灰褐色のカビ(病原菌の分生胞子)が密生する。主として温室またはハウス栽培のトマトに発生し、発生がひどいと葉は早く枯れてトマトの生育が悪くなり大きな被害を受ける。病原菌はカビの一種で不完全菌類に属するフルビア・フルバFulvia fulvaである。病原菌は種子の表面について、または種子に混じって越冬する。湿度が高いときに発生しやすいから温室の換気と排水に注意し、種子消毒を行って防ぐ。また発病を認めたら、キャプタン剤、スルフェン酸剤、TPN剤、トリフミゾール剤などの殺菌剤を散布すると効果がある。
[梶原敏宏]