朝日日本歴史人物事典 「蔵山順空」の解説
蔵山順空
生年:天福1.1.1(1233.2.11)
鎌倉時代の臨済宗の僧。諡号は円鑑禅師,別に無量房とも号した。聖一派下の永明門派の祖。この門派からは,画人吉山明兆が出ている。九州に向かう船中にて生を受け,幼くして肥前(佐賀県)水上山の神子栄尊に随侍,のち栄尊の紹介によって円爾の弟子となる。弘長2(1262)年,北条時頼の勧めにより入宋,帰国して肥前に戻り高城寺を開創した。正安2(1300)年には東福寺の第6世となり,徳治2(1307)年に永明庵を興して退居した。統括的な禅・密の兼修を行った円爾の門下において宋朝風の純粋禅を挙揚したことで知られる。<著作>『蔵山和尚語録』
(石井清純)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報