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鉄道事故 てつどうじこ

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百科事典マイペディアの解説

鉄道事故【てつどうじこ】

運転事故と運転阻害とがある。前者は列車事故(列車衝突,列車脱線,列車火災),踏切事故,車両などに触れて起きた人身障害など。後者は列車または車両の運転に阻害を及ぼしたもののうち運転事故に該当しないもので,車両脱線,車両破壊,車両逸走,車両火災,信号違反,送電故障,線路故障,乗務員疾病など部内原因によるもの,列車妨害,線路障害,踏切支障など部外原因によるもの,車両災害,線路災害,送電災害など地震,風雨,雪などによる災害原因によるものがある。
→関連項目交通事故福知山線

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世界大百科事典 第2版の解説

てつどうじこ【鉄道事故】

鉄道の安全で正確な輸送を阻害する事象が発生した場合を鉄道事故という。鉄道事業法に基づく鉄道事故等報告規則においては,安全を阻害する事象と正確を阻害する事象の二つに大別し,前者を鉄道運転事故,後者を運転阻害事故と定義づけて処理している(ほかに電気事故と災害についても規定している)。 鉄道運転事故とは,列車または車両の運転により,人の死傷または物の損傷を生じたもので,次のような事象をいう。(1)列車衝突事故列車が他の列車または車両と衝突し,または接触した事故,(2)列車脱線事故列車が脱線した事故,(3)列車火災事故列車に火災が生じた事故,(4)踏切障害事故踏切道において,列車または車両が道路を通行する人または車両等と衝突し,または接触した事故,(5)道路障害事故踏切道以外の道路において,列車または車両が道路を通行する人または車両等と衝突し,または接触した事故,(6)鉄道人身事故前記以外で列車または車両の運転により人の死傷を生じた事故,(7)鉄道物損事故前記以外で列車または車両の運転により500万円以上の物損を生じた事故。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鉄道事故
てつどうじこ

鉄道の業務運営上起こった事故。青梅事件下山事件松川事件三鷹事件は、部外者の妨害などによって起こされた事件であるから事故とは区別される。1987年(昭和62)の国鉄分割民営化を機に制定された鉄道事業法(昭和61年法律92号)第19条(事故等の報告)に基づく鉄道事故報告規則(昭和62年運輸省令8号)で事故の規定・分類がなされた。この規定によると鉄道事故とは鉄道運転事故、索道運転事故、鉄道・索道両者における運転阻害事故、電気事故からなるとされる。[原田勝正]

分類

〔1〕鉄道運転事故は次の七つに分類される。
(1)列車衝突事故 列車が他の列車・車両と衝突・接触した場合
(2)列車脱線事故 運転途中の列車が脱線した場合
(3)列車火災事故 列車に火災が生じたことにより、人の死傷または物の損傷を生じた場合
(4)踏切障害事故 列車・車両が道路を通行する人・車両等と衝突・接触した場合
(5)道路障害事故 踏切道以外の道路で列車・車両が道路を通行する人・車両等と衝突・接触した場合
(6)鉄道人身障害事故 列車・車両の運転により前各号以外の事由で人の死傷を生じた場合
(7)鉄道物損事故 列車・車両の運転による前各号以外の事由で500万円以上の物損を生じた場合
〔2〕索道運転事故は次の五つに分類される。
(1)索道切断事故、(2)搬器落下事故、(3)搬器衝突事故、(4)搬器火災事故、(5)索道人身障害事故。
〔3〕運転阻害事故とは、〔1〕および〔2〕の運転事故とは異なる原因、たとえば災害によって列車、搬器の運転に阻害を生じた場合をさし、鉄道・索道の運転事故とは区別する。この場合、災害とは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、その他の異常な自然現象や大規模な火事、爆発などの事故によって施設・車両に被害を生じた場合としている。
〔4〕電気事故は次の六つに分類される。
(1)感電死傷事故
(2)電気火災事故 漏電、短絡、閃絡(せんらく)(電気火花による短絡)、その他の電気的要因により建造物、車両、その他の工作物に火災が生じた場合
(3)感電外死傷事故 電気施設の欠陥、損傷、破壊、電気施設操作によって人の死傷を生じた場合で、感電以外の原因による
(4)変電所等設備機能支障 変電所等の変圧器、その他主要な電気機器・電路設備の故障・損傷・破壊などにより著しい機能低下、機能喪失を生じた場合
(5)信号保安設備等機能支障 信号保安設備、踏切保安設備の故障、損傷、環境などにより著しい機能低下、機能損失を生じた場合
(6)供給支障 受電電圧3000ボルト以上の電気施設の故障、損傷、環境などにより電気事業者に供給支障を生じさせた場合
 以上、この規定・分類は、鉄道と索道と両者の運転事故を並列したこと、従来あまり明確にされていなかった運転阻害事故の規定を明文化したこと、電気事故を運転事故と並列したことなどに特徴がある。これらは鉄道事故に対する対策、措置が大きく転換してきたことを示している。[原田勝正]

列車事故の歴史

初期のものとしては、1874年(明治7)9月11日9時13分新橋駅で横浜発の列車が到着の際ポイント故障のため機関車、貨物車(荷物車代用か)各1両転覆、客車2両脱線という例がほとんど最初のものと考えられる。死傷者を出した事故としては、77年10月1日西南戦争終了後の復興輸送にあたり、京都発神戸行臨時軍用改装列車の乗務員が西宮駅で当日最終の上り定期列車を待ち合わせ中、その列車に先行した臨時軍用列車を最終定期列車と誤認、20時25分ごろ独断で列車を出発させ、雷雨と強風に遭って見通しを欠いた状態で上り定期列車と正面衝突、死亡3人、負傷2人という例がある。
 列車衝突・脱線などの場合には、運転乗務員の信号誤認、停車場における閉塞(へいそく)装置取扱い誤りのような注意欠如のほかに、車軸折損、ボイラー破裂など車両の側の原因があることなども見逃せない。また、豪雨、豪雪、雪崩(なだれ)などの自然災害や積荷、たとえば火薬の爆発災害なども多発している。踏切事故の初期の例としては、1927年(昭和2)1月31日筑豊本線筑前植木―新入(しんにゅう)間の踏切で下り石炭列車が火薬を積んだ荷馬車と衝突、爆発により機関車、貨車29両破損(うち14両転覆)、民家二十数戸破壊、公衆2人即死、2人負傷、職員7人負傷という事故がある。踏切事故は、第二次世界大戦後道路整備の遅れに対して自動車数の増加が先行したため、1960年代に入って急増、道路との立体交差が急務とされ、各地で工事が進められた。
 第二次世界大戦終戦までの大事故には、以下のような例がある。1926年(大正15)9月23日3時28分山陽本線安芸中野(あきなかの)―海田市(かいたいち)間特急第1列車転覆事故(豪雨による。旅客29人即死、31人負傷、職員5人即死、8人負傷)。40年(昭和15)1月29日6時56分西成線(現桜島線)安治川口(あじかわぐち)駅構内気動車3両編成脱線、旅客死亡180人、負傷92人(のち10人死亡)、職員1人死亡の事故。43年10月26日18時45分常磐(じょうばん)線土浦駅で上り貨物列車2本が衝突、これに下り旅客列車が衝突、旅客107人死亡、104人負傷、職員3人死亡、3人負傷。
 第二次世界大戦後は、以下のような大事故の例がある。1945年8月24日7時40分八高線小宮―拝島間の多摩川橋架上で小宮駅長の閉塞誤認により上り列車が正面衝突、旅客99人死亡、67人負傷、職員6人負傷。47年2月25日7時50分八高線東飯能(ひがしはんのう)―高麗川(こまがわ)間で下り列車が曲線通過速度過大、多客のため重心上昇とばねの緩衝機能喪失により脱線転覆、旅客死亡184人、負傷497人を出した。その後51年4月24日のいわゆる桜木町事故(架線垂下・地気(電気が地上に流れること、アース)による発火、電車全焼、旅客死亡106人、負傷92人)、62年5月3日21時37分常磐線三河島駅構内の三重衝突による三河島事故(死亡旅客159人、職員1人、負傷旅客296人)、63年11月9日21時51分東海道本線鶴見(つるみ)―横浜間の貨物列車脱線による鶴見事故(横須賀線電車との衝突事故、死亡旅客160人、職員1人、負傷旅客119人、職員1人)。いずれも輸送量の増大に信号保安施設の改良が立ち遅れたことが最大の原因で、こののち自動列車停止装置(ATS)、自動列車制御装置(ATC)、列車集中制御装置(CTC)が整備されて事故防止の効果はあがった。
 しかし、その後も1972年11月6日北陸本線敦賀―今庄間北陸トンネル内で、下り急行列車の食堂車から発火、旅客・職員死亡30人、負傷714人という事故が起こった。
 さらに1991年(平成3)5月14日の信楽(しがらき)高原鉄道における正面衝突事故に続き、2000年3月8日営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線中目黒駅付近で下り菊名行電車が脱線、これに上り竹ノ塚行電車が衝突、旅客死亡5人、重軽傷30人以上という事故が起こった。これは下り電車最後部車両の車軸が急曲線でせり上がり脱線したものとされ、半径200メートル以下の曲線にはガードレールを取り付けて事故防止にあたるよう運輸省(現国土交通省)は通達を発した。これらの事故にはいくつかの原因が競合する競合脱線が多く、そのなかには都市計画と線路網の構成など根本的な要因をもつものもあるが、複合原因の解明による未然の防止策の確立と実施とは緊急の課題である。[原田勝正]
『佐々木冨泰・網谷りょういち著『事故の鉄道史――疑問への挑戦』(1993・日本経済評論社) ▽佐々木冨泰・網谷りょういち著『続・事故の鉄道史』(1995・日本経済評論社) ▽山之内秀一郎著『なぜ起こる鉄道事故』(2000・東京新聞出版局)』

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