日本歴史地名大系 「蔵玉用水」の解説 蔵玉用水くらだまようすい 千葉県:君津市旧望陀郡地区蔵玉村蔵玉用水小櫃(おびつ)川右岸から引水し、川沿いに並行する用水。江戸時代、同川上流の夷隅(いすみ)郡と安房国長狭(ながさ)郡に挟まれる地域の村々は山間にあり、田畑ともに少なく、夫食まで他村から買入れて生活する村柄であった。また用水は池・溜堰のみで、ともすれば旱魃に見舞われた。そのため嘉永五年(一八五二)武蔵国川越藩に許可を得て蔵玉村朝生惣右衛門・同仁兵衛が主唱し、釜生(かもう)村・折木沢(おりきさわ)村・坂畑(さかはた)村地主惣代とともに用水路開鑿を計画。職工は黄和田畑(きわだはた)村卯之助、夷隅郡小苗(こみよう)村(現大多喜町)又右衛門などであった。工費は五六八両余で、初め御普請を藩に願出たが聞届けられなかった。そのため自普請とし願人で費用を分担、畑田成後の鍬下年季七年を許されて工事に着手した。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by