蕨手(読み)ワラビデ

デジタル大辞泉 「蕨手」の意味・読み・例文・類語

わらび‐で【×蕨手】

《「わらびて」とも》
若葉がまだ開かず先がこぶしのように巻いている早蕨さわらび
早蕨のような先端が巻き込んだ形の意匠。刀のつか高欄神輿みこし屋根などにみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「蕨手」の意味・読み・例文・類語

わらび‐で【蕨手】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「わらびて」とも )
  2. 握り拳のように巻き曲がっている早蕨(さわらび)。蕨の手。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「わらび手はあははをするか山の口〈良次〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)一)
  3. 曲線の先端が早蕨のように巻いている意匠。神輿(みこし)の屋根の軒先、花足(けそく)の足、勾欄(こうらん)などに見られる。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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世界大百科事典(旧版)内の蕨手の言及

【高欄】より

…地覆と平桁間には卍(まんじ)崩し(法隆寺金堂)や横連子(よこれんじ)(薬師寺東塔)などの組子や,幕板(まくいた),彫刻した板を入れるものもある。禅宗様では,親柱に蓮の葉を様式化した逆蓮柱,斗には握蓮(にぎりばす),開口部では架木先端をくねらせた蕨手(わらびて)とする。 高欄は,中国では漢代の画像石や明器の建築にすでにみられ,敦煌壁画のものは親柱には擬宝珠があり,その間の架木上に宝珠飾が据えられる。…

※「蕨手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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