早蕨(読み)サワラビ

デジタル大辞泉 「早蕨」の意味・読み・例文・類語

さ‐わらび【×蕨】


芽を出したばかりのワラビ 春》
かさねの色目の名。表は紫、裏は青。春に用いる。
源氏物語第48巻の巻名。薫大将、25歳。宇治大君おおいぎみ没後、中の君は匂宮二条院に移り、薫の失望するさまを描く。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「早蕨」の意味・読み・例文・類語

さ‐わらび【早蕨】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 芽が出たばかりのワラビ。若芽のワラビ。《 季語・春 》
      1. [初出の実例]「岩走る垂水の上の左和良妣(サワラビ)のもえ出づる春になりにけるかも」(出典:万葉集(8C後)八・一四一八)
    2. (かさね)色目の名。表は紫、裏は青。春に用いる。
    3. 芝居などに用いる島田髷(しまだまげ)などの鬘(かつら)に、丈長(たけなが)を巻いた端がに似ているところから、それを見立てていう語。
      1. [初出の実例]「さわらびを床山でつむ中二階」(出典:雑俳・柳多留‐八八(1825))
  2. [ 2 ] 「源氏物語」第四八帖の巻名。宇治十帖の第四帖。薫二五歳の正月から二月まで。宇治の大君没後の中君の心境と、中君が匂宮の二条院に移って薫の失望するさまを描く。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android