勾欄(読み)コウラン

デジタル大辞泉 「勾欄」の意味・読み・例文・類語

こう‐らん【勾欄】

高欄こうらん1」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「勾欄」の意味・読み・例文・類語

こう‐らん【勾欄】

  1. 〘 名詞 〙こうらん(高欄)
    1. [初出の実例]「此の像に近付む事を恐れて、像の四面に、各七歩許を去て木の抅欄を立たり」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
    2. [その他の文献]〔斉已‐送僧帰南岳詩〕

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普及版 字通 「勾欄」の読み・字形・画数・意味

【勾欄】こうらん

てすり。また、娯楽街。〔東京夢華録、二、東角楼街〕街南桑家瓦子、~其の中、大小の勾五十餘座あり。牡丹~夜叉・象最も大にして、數千人を容るべし。

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改訂新版 世界大百科事典 「勾欄」の意味・わかりやすい解説

勾欄 (こうらん)
gōu lán

中国の宋・元(960-1367)時代,開封杭州などの諸都市に設けられた劇場をいう。原義欄干(らんかん)のことであるが,舞台のまわりを欄干で囲んでいたため,一般に劇場をこの名で呼んだ。舞台と観客のための桟敷(さじき)のみの簡単な設備であったと想像されるが,《東京夢華録》など当時の文献によると数千人を容する大規模なものもあったらしい。中では簡単な劇のほか,影絵芝居人形劇講談漫才相撲などさまざまな演芸が行われた。
瓦子
執筆者:

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世界大百科事典(旧版)内の勾欄の言及

【戯台】より

…中国,劇場の舞台のこと。唐代では各種の芸能の演ぜられた戯場は大寺院の境内や周辺に集中したが,宋代になると都市の盛り場に常設され,なかには数千人を入れる大規模なものもあって,勾欄(こうらん)と呼ばれた。方形の舞台を欄干で囲んで観客席と仕切ったことは,1959年山西省で発見された墓室内のミニアチュールで実証された。…

【口承文芸】より

…〈変文〉は詩も挿入されるので,そうした部分は節をつけて詠ぜられたものであろう。 宋代,特に12世紀以降の南宋の時代になると,都市の市場に〈勾欄(こうらん)〉と称される日本の寄席(よせ)にあたるものが出現し,そこにおいて講釈師による語りつぎ講談が行われ,人気のまとになった。そこにおいては,三国時代の英雄物語が語られたり,水滸伝のはなしが語られたり,孫悟空の物語が語られたりした。…

※「勾欄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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