宮中儀礼の一つ。喪葬令(そうそうりよう)によると,親王または三位以上の者の死を〈薨〉といい,五位以上の者は〈卒〉,六位以下庶人は〈死〉と称して区別した。親王および五位以上の者が没すると,治部省から太政官を経て天皇に奏聞する。これを薨奏というが,すでに出家した者には行わない。なお幼少の親王も薨奏しないとの説があり,その実例もあるが,《北山抄》の説くごとく,親王は入道・幼稚を問わず行うのが例で,薨奏に際しては,〈身退給(みまかりたまう)〉と奏する定めである。薨奏が行われると,天皇はその親等や政治上の地位を考慮して廃朝した。ときに官位の贈進や喪家に使者を派遣して弔問し,賻物(ふもつ)(死者への贈物,絁・布など),葬送具(葬送の車や葬列を進める楽器など),葬送夫などを支給した。なお薨奏の儀は平安時代末に一時とだえていたのを故実に明るい藤原頼長が再興し,引き続き薨奏を行わんとしたところ鳥羽上皇の指示により停められたこともあるが,おおむね平安時代末以降,江戸時代に至るまで行われた。
執筆者:米田 雄介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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