廃朝(読み)ハイチョウ

デジタル大辞泉 「廃朝」の意味・読み・例文・類語

はい‐ちょう〔‐テウ〕【廃朝】

天皇が、服喪天変地異などのために、朝務に臨まないこと。諸官司の政務は平常通り行われる。輟朝てっちょう

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精選版 日本国語大辞典 「廃朝」の意味・読み・例文・類語

はい‐ちょう‥テウ【廃朝】

  1. 〘 名詞 〙 天皇が服喪・病気天変火事などのために、政務に臨まないこと。諸官司の政務は平常通り行なわれる。輟朝(てっちょう)
    1. [初出の実例]「廃朝。以諒闇故也」(出典続日本紀‐天平勝宝七年(755)正月辛酉朔)

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改訂新版 世界大百科事典 「廃朝」の意味・わかりやすい解説

廃朝 (はいちょう)

天皇が朝廷の政務をみないこと。輟朝(てつちよう)ともいう。天皇の2等親以上の者,外祖父母,右大臣以上もしくは散一位の喪に際し廃朝3日とし,国忌(こつき)日および3等親と,百官の三位以上の喪には廃朝1日,また日食や地震などの天変地異にも廃朝するが,それらは儀制令に規定されており,その規定は江戸時代末までほぼ守られた。なお廃朝が薨奏(こうそう)により行われた場合,必ずしも薨奏の日でなく,その翌日から始められることもあった。廃朝に際して天皇は清涼殿御簾(みす)を垂れ,三関に固関(こげん)を命じ,音楽,警蹕けいひつ)等を停止して慎むのが例であった。しかし政務は一日も空しくするべきではないとし,廃朝の間も諸司による政務を行うのを原則とした。また諸司が政務を廃する廃務を行う場合でも1日限りを原則とするとの説が古くからあるが,実際には日食・月食はもとより,国忌や神事・仏事に廃務が行われ,廃朝と同じく3日や5日の例もある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「廃朝」の意味・わかりやすい解説

廃朝
はいちょう

天皇が朝廷の政務をみないこと。「輟朝(てっちょう)」ともいう。臨朝に対する語。日食や二等親以上の喪などの場合に行われ、その日数は1日または3日ないし5日。その間、清涼殿(せいりょうでん)の御簾(みす)を垂れて諸事を慎み、音奏(おんそう)、警蹕(けいひつ)などを停止する例である。なお諸官司が政務を廃するのを廃務(はいむ)といい、1日限りを原則とし、廃朝の際はかならずしも廃務しないが、国忌(こき)や日食の場合のように、両者が一致するときもある。

橋本義彦

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普及版 字通 「廃朝」の読み・字形・画数・意味

【廃朝】はいちよう

日常の政務を廃する、輟朝。

字通「廃」の項目を見る

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