薬師谷
やくしだに
[現在地名]宇和島市川内
鬼が城山(一一五一メートル)と権現山(九五二メートル)を源流とする薬師谷川の渓谷。東西四キロに及ぶ。岩戸の滝・瓶淵・万代の滝・雪輪の滝・小瓢箪淵・千畳敷・大瓢箪淵と続き、右岸は大杉山裏側の屏風岩の岩壁が迫っている。変化に富む渓谷美と常緑広葉樹林によって知られる景勝地である。
「宇和旧記」には、薬師谷渓谷の下流の谷間の字薬師谷に東光寺(禅宗、本尊薬師如来)という小寺があったと記している。また同書に「来村に権現の森とて高山有、此頂上に権現の御堂有、風烈しく堂も度々破損せし故、油屋弥助と云もの信心深ゆへ、現世安穏後生善処の為とて、石の堂建立すといへり」とも記す。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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