朝日日本歴史人物事典 「藤原季経」の解説
藤原季経
生年:天承1(1131)
平安時代末・鎌倉時代初期の歌人。左京大夫顕輔の子。非参議正三位に至る。建仁1(1201)年に出家。法名は蓮経。治承2(1178)年『右大臣家百首』など,多くの歌会,歌合に出詠。建仁3(1203)年『千五百番歌合』では,判者のひとりとなるなど,兄清輔の没したのち,歌道家六条家の勢力維持に努めたが,『新古今和歌集』には「風さゆる小島が磯のむら千鳥立ちゐは浪の心なりけり」の1首が入集したにとどまった。家集に『季経入道集』がある。ほかに『枕草子』の注釈書を著したが,現在伝わっていない。<参考文献>井上宗雄『増補版 平安後期歌人伝の研究』
(加藤睦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報