朝日日本歴史人物事典 「藤原懐子」の解説
藤原懐子
生年:天慶8(945)
平安時代中期の冷泉天皇女御。「ちかこ」とも。藤原伊尹と恵子女王の子。東宮憲平親王(冷泉天皇)の更衣となる。康保4(967)年,夫が即位し女御になる。安和1(968)年師貞親王(花山天皇)を父の邸宅一条第で生む。師貞は生後1カ月で円融天皇の皇太子となる。これにより,伊尹は外戚の地位を約束されるが,即位を見ずに死亡する。強力な後見を失った花山天皇は,藤原兼家の策略により2年で退位に追い込まれる。他に宗子,尊子の2内親王を生む。天延2(974)年従二位。死亡後,永観2(984)年皇太后を追贈される。
(京楽真帆子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報