藤琴村(読み)ふじことむら

日本歴史地名大系 「藤琴村」の解説

藤琴村
ふじことむら

[現在地名]藤里町藤琴

北は釣瓶落つるべおとし峠で津軽領と接し、東は秋田郡前山まえやま村(現北秋田郡鷹巣たかのす町)、西は粕毛かすげ村、南は大沢おおさわ村に接する。村の大部分は秋田杉の繁茂する山地で、集落は村を南北に縦断する藤琴川に沿って発達した。村の北部に太良だいら鉱山があり、鉱石の運搬や人馬の往来のために、藤琴川の舟運や藤琴川沿いの街道が発達した。

中世には大館周辺に勢力をもつ戦国大名浅利氏の影響下にあったらしく、「奥羽永慶軍記」に「浅利与市則祐の母は都の人なり、辰若とて八才の男子あり、則祐補佐の臣田沢次郎兵衛に向て、汝は母上と辰若を供にして早く藤琴に退くべし」とある。浅利氏が秋田氏に滅ぼされたのちは、檜山ひやま安東(秋田)氏の知行地となり、慶長六年(一六〇一)の秋田実季侍分限(秋田家文書)に「百拾四石弐斗七升三合 藤琴村」とある。

佐竹氏移封後は秋田藩の蔵入地となり、代官梅津政景の支配下に入った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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