蘚帽(読み)センボウ

関連語 井上浩 名詞

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蘚帽」の意味・わかりやすい解説

蘚帽
せんぼう

コケ植物うち、蘚類の蒴(さく)を包む器官で、単に帽ともいう。蒴が発生するときに造卵器の上半部がちぎれ、蒴を包んだ状態のままで成長する。この過程で造卵器の上半部はさまざまな変化を行い、多様な形の蘚帽となる。蘚帽は種類によっては早期に脱落するが、スギゴケ科などではあとまで残っている。

[井上 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の蘚帽の言及

【蘚類】より

…胞子体はふつう比較的かたい組織からなり長期間にわたって胞子を放出し続ける。蒴(さく)(胞子囊)は蘚帽calyptraをかぶる。蘚帽は造卵器の腹部が受精後に発達し,胞子体の伸長とともに切断して持ち上げられたもので,配偶体の組織の一部である。…

※「蘚帽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む