(読み)サク

  • ×蒴

大辞林 第三版の解説

せん類の胞子囊ほうしのう。胞子体の主要部。球形・楕円形などで基部に柄があり、配偶体の上部につく。蘚蒴。
蒴果さくかに同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コケ植物が胞子を形成する嚢(のう)状の器官で、胞子嚢ともいう。柄(え)をもち、植物体から挺出(ていしゅつ)するのが普通であるが、種類によっては柄がごく短く、あまり挺出しないで葉などの間に隠れていることがある。苔(たい)類のは球形または長楕円(ちょうだえん)形で、熟すと4裂し、内部から胞子および螺旋(らせん)状の弾糸を出す。一方、蘚(せん)類のには球形、円筒形、直立または湾曲など、さまざまな形のものがある。組織は一般に硬く、熟しても破れない。蘚類のが若いときには帽(ぼう)(蘚帽)をかぶっているが、帽はあとでとれてなくなる。蘚類のは、蓋(ふた)(蘚蓋(せんがい))、口、頸部(けいぶ)などに分かれている。口の周りには歯(蘚歯)があり、歯の乾湿運動での中に含まれる胞子が飛散する。頸部の発達は種類によって大小があり、ほとんど頸部のみられないようなものもある。また、頸部の表面には気室孔のあるのが普通である。こうしたの形、大きさなどはコケ植物の分類にあたっては重要な形質とされている。とくに蘚類では歯の構造が科や属の決め手となっている。[井上 浩]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① コケ植物蘚(せん)類の胞子嚢(ほうしのう)。胞子体の主要部で、形は球形、楕円形などを呈する。上端にふた(蘚蓋(せんがい))があり胞子が熟すると開いて胞子を放散させる。〔生物学語彙(1884)〕
② =さっか(蒴果)〔植学啓原(1833)〕

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