蘚類(読み)せんるい

日本大百科全書(ニッポニカ)「蘚類」の解説

蘚類
せんるい

苔(たい)類、ツノゴケ類と並ぶコケ植物一群。植物体はすべて、葉の分化がみられ、茎は直立または横にはい、仮根は多細胞からなっていて、分する。茎には中心束が分化するものが多い。葉には中肋(ちゅうろく)をもつものが多く、中肋部以外では、ほとんどが一層の細胞からなる。雌雄異株または同株。造卵器は主茎の頂端につく場合と、枝の先につく場合がある。胞子体の若い(さく)には帽(ぼう)(蘚帽)があり、口部には蒴歯が分化する。スギゴケ科、ミズゴケ科、クロゴケ科など約80科1万5000種が知られている。海水中を除く世界各地のあらゆる環境下で生育がみられるが、熱帯圏にもっとも多くの種類がみられ、南極大陸や北極圏にも数十種が分布している。

[井上 浩]

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精選版 日本国語大辞典「蘚類」の解説

せん‐るい【蘚類】

〘名〙 蘚苔植物の分類群の一つ。胞子体には胞子だけが作られ弾糸はない。胞子嚢の口には蒴歯がある。配偶体は茎葉体で、葉は茎にらせん状に着き、背腹性ははっきりしない。日本にはミズゴケ、スギゴケ、ヒョウタンゴケなど約一五〇〇種がある。

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デジタル大辞泉「蘚類」の解説

せん‐るい【×蘚類】

コケ植物の一群。湿った日陰などに群生する。茎・葉の分化がみられ、雌雄異株または同株。造卵器は茎の頂か枝の先につき、胞子体の若いさくには蘚帽せんぼうがある。スギゴケミズゴケヒカリゴケ・クロゴケなど。

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世界大百科事典 第2版「蘚類」の解説

せんるい【蘚類 moss】

コケ植物の1綱で,ミズゴケスギゴケヒョウタンゴケなどを含む。配偶体は茎と葉が分化し,葉状のものはない。仮根は1列に並んだ多数の細胞からなり分枝する。葉は一般に茎にらせん状につき放射状に広がるが,3列または2列につくものもある。葉は中央脈をもつものが多く,一般に中央脈の部分を除いて1層の細胞からなる。胞子体はふつう比較的かたい組織からなり長期間にわたって胞子を放出し続ける。蒴(さく)(胞子囊)は蘚帽calyptraをかぶる。

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世界大百科事典内の蘚類の言及

【コケ植物(苔植物)】より

…最古の化石は上部デボン紀にさかのぼるが,その後の化石はわずかで古生物学的に進化の跡づけを行うことは困難である。蘚類苔類ツノゴケ類に三大別され,世界に約2万種,日本に約2000種ある(図1)。
[生活史]
 明瞭な世代交代を行う。…

※「蘚類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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