蜚蠊(読み)ごきぶり

精選版 日本国語大辞典 「蜚蠊」の意味・読み・例文・類語

ごきぶり【蜚蠊】

〘名〙 (「御器噛(ごきかぶり)」が変化した語) ゴキブリ目に属する昆虫総称。体は扁平で幅広い楕円形。光沢のある褐色または黒褐色で、特有のにおいをもつ。原始的な昆虫で、飛ぶ力は強くないが、走るのは速い。人家内にすむ種類は、体長約三センチメートルで黒色クロゴキブリ、体長約二センチメートルで黒褐色のヤマトゴキブリ、体長約一・五センチメートルで褐色のチャバネゴキブリなどがある。おもに夜活動し、食品を害するほか伝染病の媒介をする。世界に広く分布熱帯に多い。日本には五四種が分布。あぶらむし。《季・夏》 〔生物学語彙(1884)〕

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デジタル大辞泉 「蜚蠊」の意味・読み・例文・類語

ごきぶり【蜚蠊】

《「ごきかぶり(御器噛)」の音変化》ゴキブリ目の昆虫の総称。茶褐色や黒褐色の体色のものが多く、油を塗ったようなつやがある。体は扁平で、前胸が大きい。口は、かむ型。はねに原始的な特徴がある。卵は、がま口状のさやを作ってその中に産みつける。人家に侵入するものにチャバネゴキブリ・クロゴキブリ・ワモンゴキブリ・ヤマトゴキブリなどがある。あぶらむし。 夏》

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蜚蠊」の解説

蜚蠊 (ゴキブリ)

動物。ゴキブリ目の昆虫の総称

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世界大百科事典(旧版)内の蜚蠊の言及

【ゴキブリ】より

…現在の名は,明治時代の昆虫学者松村松年が《日本昆虫学》(1898)でゴキカブリをゴキブリと誤記したことに端を発しているという。漢名は蜚蠊(ひれん)。英名コックローチcockroachはスペイン語のクカラチャcucarachaが英語化したもので,同様の変形にはアスパラガスasparagusがスパロー・グラスsparrow grassとして用いられている例などがある。…

※「蜚蠊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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