行事村(読み)ぎようじむら

日本歴史地名大系 「行事村」の解説

行事村
ぎようじむら

[現在地名]行橋市行事・行事一―七丁目・大橋おおはし二―三丁目

現行橋市の北端に位置し、西は草野くさの村。長峡ながお川が南端を、小波瀬おばせ川が北端をそれぞれ東流する。長峡川は江戸時代には大橋川・行事川と称された(正保国絵図・元禄国絵図など)。「福岡県旧租要略」によると、小波瀬川は当村で長峡川と合流するが、もとは河口を別にしていたのを新田開墾のため合流するように付替えられたという。当地の貴船神社記(京都郡誌)には「神司村」と書かれている。また行司村とも記される(「仏山堂日記」村上家文書など)中津街道南北に通り、町場が形成されていた。元和八年人畜改帳に行事村とみえ、高七〇三石余、家数七九・人数一五三(うち百姓一〇・名子一一・水夫五)、牛一二・馬一〇。「郡方大綱秘記」に水夫役を勤める浦として行事村がみえ、元和九年(一六二三)の行事村役人等申状案(永青文庫)によれば、浦庄屋・上ケ庄屋らは年々加子役・上ケ役を勤めてきたが、同年には水夫がいないため他の浦から雇い、その賃金を百姓が賄っており迷惑している。また漁をしていないのに菜米を徴収されており、浦奉行の改では当村牢人のなかにいた加子三人を書上げたが、まだ二人不足であるなどと陳情している。正保二年(一六四五)の百姓数二一(前掲貴船神社記)。郷村高帳では高九九三石余、うち新田高四〇七石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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