日本大百科全書(ニッポニカ) 「衣ヶ浦湾」の意味・わかりやすい解説
衣ヶ浦湾
ころもがうらわん
愛知県南部、三河湾(みかわわん)西部の知多(ちた)湾湾奥部の湾入。知多半島と西三河地方を分ける。別に衣浦湾(きぬうらわん)ともよぶが、これは衣浦(きぬうら)港ができてからの名称である。境川断層の谷地形で最深部は16メートル、平均深度約7メートル。矢作(やはぎ)川、境川が流入し沿岸部は土砂堆積(たいせき)による5メートル以下の浅海で、埋立臨海工業地帯となっている。縄文時代には海進で刈谷(かりや)市付近までが海、陸海の境界付近には多くの貝塚群が分布している。江戸時代には三河五箇所湊(ごかしょみなと)(大浜、鷲塚(わしづか)、平坂(へいさか)、犬飼(いぬかい)、御馬(おんま))、知多半島側に亀崎、半田、武豊(たけとよ)などの港があって江戸廻船(かいせん)の基地。現在は重要港湾衣浦港と両岸は臨海工業地帯。また両岸は衣浦大橋、海底トンネルなどによって結ばれている。
[伊藤郷平]