日本歴史地名大系 「表門郷」の解説 表門郷うわとごう 山梨県:甲斐国山梨郡表門郷「和名抄」東急本は「宇波止」、高山寺本は「寄波止」の訓を付すが、「寄」は誤記。名博本の訓は「ウワト」。山梨西郡の一つ。「甲斐国志」以来「表門」が転訛して「和戸」となり、現甲府市和戸(わど)町をその遺称とする説が唱えられてきた。昭和五七年(一九八二)和戸町に隣接する同市横根(よこね)町に所在する大坪(おおつぼ)遺跡から発掘された、九世紀末から一〇世紀初め頃の土師皿片の底部内面に「甲斐国山梨郡表門」と篦書された文字が確認されたことで、「甲斐国志」の説の正しかったことが裏付けられた。 表門郷うわとごう 山梨県:甲府市旧山梨郡地区和戸村表門郷現甲府市東部から現石和(いさわ)町北部の一帯を郷域とする南北朝時代の郷。「和名抄」に載る山梨郡表門郷が名称・郷域を同じくして存続したものと考えられ、和戸(わど)を遺称地とする。貞治三年(一三六四)二月一五日の一蓮寺寺領目録(一蓮寺文書)によれば、建武五年(一三三八)五月三日に河内弥女が表門郷四目木(しめぎ)の地三段を一蓮(いちれん)寺に寄進している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by