袁中道(読み)えんちゅうどう(その他表記)Yuan Zhong-dao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「袁中道」の意味・わかりやすい解説

袁中道
えんちゅうどう
Yuan Zhong-dao

[生]隆慶4(1570)
[没]天啓2(1622)
中国,明末の詩人。公安県 (湖北省) の人。字,小修。兄の袁宗道袁宏道とともに「三袁」と称される。早くから兄とともに都に出て名士たちと交わった。万暦 45 (1617) 年進士に及第。兄とともに陽明学左派の李卓吾に師事し,また袁宏道を中心として,明代中期以来文壇の主勢力であった前後七子の復古派文学の形式主義に反対し,自由な個性を生かし,純粋な創造精神を尊ぶべきだとする一派をつくった。三袁の出身地によってその一派を公安派,その詩体を公安体と呼ぶ。袁宏道の死後,十数年生存したが,その亜流が次第に卑俗に流れるのに反対した。詩文集『珂雪斎集』 (24巻) 。

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世界大百科事典(旧版)内の袁中道の言及

【公安派】より

…中国,明代後期に湖北省公安から出た袁氏三兄弟(袁宗道(1560‐1600),袁宏道,袁中道(1570‐1623))に代表される反擬古主義の文学者のグループ。もっとも彼ら自身はこう名のったことはなく,また3人それぞれ性向も資質も異なるが,ともに師事した李贄(りし)(卓吾)から,ものごとの真実を主体的に把握すべきことを学んだ。…

※「袁中道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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