袁水拍(読み)えんすいはく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「袁水拍」の意味・わかりやすい解説

袁水拍
えんすいはく / ユアンショイパイ
(1919―1982)

中国の詩人本名は袁光楣(えんこうび)。江蘇(こうそ/チヤンスー)省呉県出身。筆名はまた馬凡陀(ばぼんだ)。1935年上海瀘江(シャンハイろこう)大学卒業。上海浙江(せっこう)商業銀行勤務。37年抗日戦中に、重慶(じゅうけい/チョンチン)、香港(ホンコン)で活躍、とくに44年から48年に上海の『新民報』『大公報』を編集、盛んに政治風刺詩を発表。山歌(さんか)という軽快な民謡調で権力者の虚偽腐敗をついた。詩集に『人民』(1940)、『馬凡陀の山歌』(1946)、『詩四〇篇(へん)』(1954)、『歌頌(かしょう)と呪詛(じゅそ)』(1958)など。ほかに『詩論集』(1958)、翻訳『ネルダー詩文集』(1951)などがある。

[秋吉久紀夫]

『秋吉久紀夫訳編『中国現代詩集』(1962・飯塚書店)』『秋吉久紀夫訳編『精選中国現代詩集』(1994・土曜美術社出版販売)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「袁水拍」の意味・わかりやすい解説

袁水拍
えんすいはく
Yuan Shui-po

[生]1919
[没]1982.10.29
中国の詩人,翻訳家。蘇州の人。本名,袁光 楣。解放後,『人民日報』の編集に従事,1952年新聞界を代表して世界平和大会に出席した。抗日戦初期,雑誌『文芸陣地』に拠って詩作活動を続け,戦後,馬凡陀の筆名で諷刺詩を多く発表した。文化大革命批判を受け,1974年名誉回復したが,その後四人組に近づいたとされ,活躍の機会が減った。著作『馬凡陀の山歌』 (1946) ,翻訳『ネルーダ詩文集』 (1951) など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android