袋野隧道(読み)ふくろのずいどう

日本歴史地名大系 「袋野隧道」の解説

袋野隧道
ふくろのずいどう

浮羽郡東端の台地大野原おおのばる(原口村のうち)などを灌漑するための用水隧道。寛文一二年(一六七二)吉井西(田代組)大庄屋田代弥左衛門重栄が久留米藩の許可のもと私財を投じ、豊後国日田郡高野たかの(現大分県日田市)の許可を得て起工、日田郡境の筑後川の獺瀬うそのせから岩盤をうがって五〇〇間余の隧道を掘り、未開拓であった大野原などに用水を導き、田地七〇町余が開かれた(「袋野切貫溝掛役畝」田代家文書)。事業は子の重仍が引継ぎ、延宝四年(一六七六)に完工した(「久留米小史」、「袋野匿溝記」田代家文書など)。隧道の取水口には巨石により長さ六四間・幅五九間の袋野堰が設けられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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