家庭医学館 「裂頭条虫症」の解説
れっとうじょうちゅうしょう【裂頭条虫症 Diphyllobothriasis, Diphyllobothriosis】
長さが2~10mの裂頭条虫が小腸(しょうちょう)に寄生するものです。
日本近海のサケやマスを生(なま)で食べて、幼虫を摂取して感染する日本海裂頭条虫症(にほんかいれっとうじょうちゅうしょう)と、北欧のサケ、マスや北米の湖沼でとれたマスを生で食べて感染する広節裂頭条虫症(こうせつれっとうじょうちゅうしょう)とがあります。
[症状]
無症状の人もいますが、ふつうは腹痛、下痢(げり)、嘔吐(おうと)などの消化器症状と貧血(ひんけつ)がみられます。
[検査と診断]
成虫が途中で切れて、その体節が肛門(こうもん)から排出されて気づき、その体節を調べて診断がつくことが多いのですが、糞便(ふんべん)検査で虫卵(ちゅうらん)を見つけて診断されることもあります。
[治療]
専門医を訪ねて、プラジカンテル、または抗生物質のパロモマイシンを早朝の空腹時に1~2回内服し、その後に下剤を飲みます。
サケやマスは、よく火をとおして食べることが予防につながります。