算術(読み)サンジュツ

デジタル大辞泉の解説

さん‐じゅつ【算術】

計算の方法。算法。古くは数学全般をいった。
旧制の小学校における教科名。現在の算数がほぼこれにあたる。

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百科事典マイペディアの解説

算術【さんじゅつ】

正整数,分数,小数の加減乗除を中心として,日常生活に必要な計算や応用問題を扱う実用的な初等数学。学問的な分類の上では,整数の性質を研究する分科(整数論)をいう。
→関連項目算数数学

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世界大百科事典 第2版の解説

さんじゅつ【算術】

もとの意味は文字どおり算(かぞ)える手段ということで,古い用例には古代中国の数学書《九章算術》がある。和算において術という言葉を使うのは,特殊な手法を指すのがふつうである。例えば関孝和の角術というのは,正多角形の一辺を与えて,内接円および外接円の半径を求める公式である。明治になって算術という言葉が再登場し,やがて小学校で教える初等数学の教科名として採用された。そのため,算術というのは,そのような初等数学を意味することが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

算術
さんじゅつ

算術は、古く中国では、数学全般を意味する語として用いられ、それがそのまま日本にも伝わっていたが、日本では、明治の初め西洋の数学を受け入れる際に、英語のarithmeticに対する訳語として、この語を採用した。この際に、数の理論を研究する数学の分野としての名称と、学校で数を中心とする教育を行う教科としての名称とが、未分化のまま用いられ、そのままあとまで引き継がれていった。しかし今日では、数学の分野としては、整数論ないし数論というほうが一般的であり、教科名としては、1941年(昭和16)の小学校から国民学校への制度改革以来、算数とよぶようになった。

 今日算術という語を用いる場合には、明治から昭和にかけての学校教育のなかでの算術のイメージをもとにしている場合が多い。この時期の算術科の内容は、命数法、記数法、整数、小数、分数の四則、諸等数(各種の量の単位と、複数の単位を伴った数値の扱い)、比と比例、日常諸算などからなり、範例と練習とを通じて計算法に習熟すること、日常生活に四則を応用すること、考え方を練ることをそのねらいとしていた。考え方を練るため、実生活上の意味はなくとも、謎(なぞ)としてはおもしろ味のある「四則応用問題」(文章題)が課せられた。これらは、代数を学んでしまえば統一的な方法でやさしく解けるものであるが、算術のなかでは、文字を用いず問題場面に即して、適切な観点変更を行って解くことを求めたもので、その手法に応じ、何々算といった名称でよばれていた。

[島田 茂]


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精選版 日本国語大辞典の解説

さん‐じゅつ【算術】

〘名〙
① 計算の方法。古くは数学全般と同義。
※令義解(718)職員「筭博士二人。〈掌筭術〉」 〔漢書‐律歴志〕
② 算木による占い、まじない。
※看聞御記‐応永二四年(1417)五月二三日「併良明加持、彼僧筭術効験歟。可貴可喜」
③ 初等数学のこと。記数法、正の整数、小数、分数の四則計算、比例、量の計算などを取り扱う。小学校および中学校初学年で教えた。〔英和対訳袖珍辞書(1862)〕
④ 小学校の旧教科名。現在の算数にあたる。
※新聞雑誌‐五号・明治四年(1871)六月「小学にては句読筆道、筭術(サンジュツ)の三科に分ち」

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世界大百科事典内の算術の言及

【自由七科】より

…自由学芸とも訳され,思想的源流としては,古代ギリシアの,肉体労働から解放された自由人にふさわしい教養という考え方にさかのぼり,実利性や職業性や専門性を志向する学問と対立する。ローマ末期の4~5世紀に七つの科目に限定され,言語に関する三科trivium,すなわち文法grammatica,修辞学rhetorica,論理学logica(弁証法dialecticaと呼ばれることもある)と数に関連した四科quadrivium,すなわち算術arithmetica,幾何geometrica,音楽musica(もしくはharmonia),天文学astronomiaに区分される。これらは本来異教徒の学問であるが,それがキリスト教世界の法学や医学のための基礎科目だけでなく神学の基礎科目となったことは,ヘレニズムとヘブライズムとの融合の具体的あらわれである。…

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