(読み)ユウ

デジタル大辞泉 「裕」の意味・読み・例文・類語

ゆう【裕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ユウ(慣)
豊かでゆとりがある。「裕福富裕余裕
[名のり]すけ・ひろ・ひろし・まさ・みち・やす・ゆたか

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精選版 日本国語大辞典 「裕」の意味・読み・例文・類語

ゆう【裕】

  1. [ 1 ] ゆるやかなこと。余裕のあること。寛容であること。
    1. [初出の実例]「『たがねぎ事のすゑの秋風』といひたるに、ゆうありて少し心得にくきやうに侍るべし」(出典:正徹物語(1448‐50頃)上)
    2. [その他の文献]〔書経‐仲虺之誥〕
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 生活にゆとりのあるさま。豊かなさま。
    1. [初出の実例]「聴衆諸君の御内方だとお宅は富貴(ユウ)に暮してお在(いで)だに依て」(出典:落語・裏の裡愛妾の肚(1889)〈五代目翁家さん馬〉)

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普及版 字通 「裕」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] ユウ
[字訓] ゆたか・ゆるやか・ひろい

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は谷(よう)。谷は容・欲の従うところでその音に近く、渓谷の谷(こく)とは異なる字である。祝の器である(さい)を以て祀り、その上に髣髴(ほうふつ)として神気のあらわれる状態を容といい、その神気に祈り請うことを欲という。〔説文〕八上に「衣物、饒(ゆた)かなるなり」とするが、衣裳の間に神気のあらわれることを裕というのであろう。〔国語、周語上〕に「亨祀(きやうし)すること時に至り、布施優裕なり」のように、神事に関していう。のち、人の裕福なことをいう。

[訓義]
1. ゆたか、ゆるやか。
2. ひろい、ひらく、ひろやか。

[古辞書の訓]
名義抄〕裕 メグム・ヤスシ・ユタカナリ 〔字鏡〕裕 ユタカナリ・サイハヒ・マサシ・ヤスシ・ヒラク・タスク

[語系]
裕jiokは容jiongと声近く、神容を容といい、その神気にたすけられることを裕という。(翼)jikも声の近い語である。

[熟語]
裕寛裕如裕足・裕福裕裕裕利
[下接語]
安裕・威裕・盈裕雅裕寛裕弘裕・成裕・恬裕・徳裕・富裕・裕・優裕・余裕・容裕和裕

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