補忘記(読み)ぶもうき

精選版 日本国語大辞典 「補忘記」の意味・読み・例文・類語

ぶもうきブマウキ【補忘記】

  1. 江戸前期の語学書。二巻。観応著。貞享四年(一六八七)刊。真言宗新義派の論議参考書で、論議用語約一〇〇〇語をいろは順に配列した語彙編と、解説編とから成る。所収の語に施された節博士は国語アクセント史料としての高い価値を持つ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「補忘記」の意味・わかりやすい解説

補忘記
ぶもうき

観応 (かんのう) 著。貞享4 (1687) 年版 (上下2巻) と再訂本である元禄8 (95) 年版 (天地人3巻) がある。新義真言宗の論義からその難読語を中心に語句を抜き出し,漢語和語をそれぞれ語頭のイロハ順に並べ,声点や節博士 (ふしはかせ。→博士 ) ,読み方を添えたもの。清濁などの音韻資料となるが,特に節博士の\ (徴〈チ〉。より高い音) と- (角〈カク〉。より低い音) による表記はアクセント資料として重視されている。ただし,そこに示されているアクセントが何時代のどこの方言であるかについては説が分れている。

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