補酵素Q(読み)ホコウソキュー(その他表記)coenzyme Q

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「補酵素Q」の意味・わかりやすい解説

補酵素Q
ほこうそキュー
coenzyme Q

CoQ と略記。電子伝達系の一成分で,チトクロムbの上手に位置する。コハク酸,脂肪酸 CoA ,グリセロールリン酸などからくる水素は CoQ の位置で,電子伝達主鎖に流入する。 CoQ 本体は,ベンゾキノンに,-(CH2-CH=C・CH3-CH2-)nH   (n=6~10) という長い側鎖を含む各種の基が置換した化合物であり,脂溶性。初め肝臓から分離され,どこにも遍在する ubiquitousキノン quinoneという意味でユビキノンと命名され,やがて酸化還元補酵素としての役割が注目されて,キノンにちなんで CoQ と書かれるようになった。

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化学辞典 第2版 「補酵素Q」の解説

補酵素Q
ホコウソキュー
coenzyme Q

[同義異語]ユビキノン

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の補酵素Qの言及

【補酵素】より

… なおグリコーゲンホスホリラーゼに結合しているピリドキサルリン酸は,補酵素としての役割が上記とまったく異なり,リン酸基が基質としてのグリコーゲン分子の分解に関与すると理解されている。(7)その他 テトラピロールに鉄が配位したポルフィリンの誘導体としてのヘムは各種酸化還元酵素の補酵素として,またユビキノンubiquinone,すなわち補酵素Q(CoQと略記)も電子伝達系で重要。テトラヒドロ葉酸はホルミル基などのC1ユニットの転移に,ビタミンB12としてのコバミド補酵素cobamide coenzymeはH,Cその他の分子内転移をめぐる脂質,核酸代謝に(欠乏症としては貧血が有名),ATPはリン酸基転移に,S‐アデノシルメチオニンはメチル基転移にというぐあいに,多くの補酵素が生体反応で重要な役割をになっている。…

※「補酵素Q」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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