山川 世界史小辞典 改訂新版 「西アフリカ航路探検」の解説
西アフリカ航路探検(にしアフリカこうろたんけん)
ポルトガルのセウタ攻略(1415年)以後,エンリケ航海王子とその後継者の指揮のもとに,大西洋東部の諸島とアフリカ西海岸で行われた探検航海。伝説的なキリスト教君主プレステ・ジョアン(プレスター・ジョン)の探索と西アフリカの金の発見が当初の目的だったが,やがて奴隷貿易が加わって,収益性の高い国家事業に発展し,ガーナ海岸にエルミナ基地が建設された。1486年ベニンの奥地にキリスト教王の存在が伝えられ,陸路にコビリャン,海路にバルトロメウ・ディアスが派遣された結果,いずれもアフリカ南端が回航可能との報告がなされた。これにより,1498年ヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰を回航して,インド,マラバール海岸のカリカットに到着し,ポルトガルによるインド洋‐南シナ海貿易圏への侵入が始まった。このときガマは,アソレス諸島から喜望峰まで97日間の大航海に成功している。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報