エルミナ(読み)えるみな(英語表記)Elmina

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルミナ」の意味・わかりやすい解説

エルミナ
Elmina

ガーナ南部,ベナン湾岸の町。ポルトガルの交易所として建設され,1482年にはセント・ジョージ要塞が築かれた。この要塞を中心にポルトガルはエルミナ植民地を形成し,同地域の貿易を独占。その後 15世紀末から 18世紀にかけて,オランダ人,イギリス人,デンマーク人,スウェーデン人らによって同様の植民拠点がベナン湾一帯,約 500kmにわたり設けられ,世界でも類をみない一連の交易所群を形成した。ヨーロッパの物品を金,象牙香辛料などと交換し,のちには奴隷貿易の中心となった。スウェーデン人はケープコーストに,デンマーク人はアクラに,オランダ人,イギリス人はセコンディタコラディにそれぞれ城塞を築いた。現在,博物館,刑務所,学校などとして利用されているこれらの城塞跡は,1979年世界遺産の文化遺産に登録。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルミナ」の意味・わかりやすい解説

エルミナ
えるみな
Elmina

西アフリカ、ガーナ中南部のギニア湾沿岸にある港町。人口2万6300(2002推計)。1482年にポルトガルの貿易基地として城塞(じょうさい)が建設され、ゴールド・コースト(現ガーナ)の金貿易の中心地になった。1637年オランダ人が占領し、1872年にはイギリス人に譲渡されたが、この間奴隷の積出し港であった。現在は静かな漁港で、城塞はガーナ警察の本部として利用される。

[中村弘光]

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